TNTスポーツ
2018年から2019年にかけてヤン・ヨンソン監督の通訳として清水エスパルスを助けてくれたクリスティアン一色さん(愛称ティティさん)。
彼がチリの名門コロコロのユニフォームを着て、日本で開催されたチリ代表の試合(キリンカップのチリvsチュニジア)を見に行ったところ、その姿がチリのテレビ放送で映し出された。
すると、ネット上などで「なぜ日本人がコロコロのユニフォームを着ているんだ」とチリ人たちがザワついたことは、以前の記事で紹介したとおりだ。
そんな一色さんは、チリ代表がキリンカップの第2戦としてガーナ代表として試合をした際にも、会場の吹田スタジアムでチリ代表を応援した。
チリで話題になったこともあり、チリvsガーナが開催された吹田スタジアムで一色さんがコロコロの選手との写真を投稿すると、チリ方面から大量の(2022年6月20日時点で約3.1万件の)「いいね」と、スペイン語のコメントが投稿された。
そんな一色さんが、このたび、大手スポーツメディアTNT Sportsでも特集された。
<<TNT Sports Chile 特集記事>>
米国ワーナー資本のTNT Sportsは南米ではとても大きな影響力があるスポーツチャンネルだ。
そのチリ版(TNT Sports Chile)が、一色さんにコンタクトを取り、同メディアで一色さんの特集がなされた。
日本語での内容はおおよそ以下の通りだ。
チリ、コロコロ、パイオニアとしてのファミリービジネス 日本のコロコロ サポーターの信じられない歴史
チリ代表のアジア遠征は苦いものに終わった。
大阪で開催されたキリンカップの3位決定戦で、チリ代表は、1ゴールもあげられずPKの末ガーナにも敗れた。
そんななか、カメラは、コロコログッズで身を固めたチリの血を引く日本人クリスティアン一色氏の姿をとらえた。
彼には信じられない歴史がある。
TNT Sportsはクリスティアン一色氏に、独占的に話を聞くことができた。
すると、一色氏から、17,000キロメートル以上を旅し、新たな人生をはじめた父と、その家族の驚くべき歴史が語られた。
彼の父、ダゴベルト・アントニオ・メリリャン・ハラは1934年にチリのテムコで生まれ、チリの海軍に所属していた。
<<写真:チリ海軍所属当時の父ダゴベルト氏>>
そんなダゴベルト氏は、1968年、現在も一色ファミリーが生活する神戸にやってきた。
ダゴベルト氏の息子のクリスティアン一色氏は語る。「父は祖国チリ、そして、自らが所属していた組織を愛する人でした」
アジアの国に生活の基盤を移したダゴベルト氏は、日本人女性、一色満子(みつこ)さんと結婚をする。
そして、夫婦で、アジアではじめてのチリ料理レストラン 、その名も『グラン ミカエラ イ ダゴ』をオープンした。
<<写真:父ダゴベルト氏と母満子さん(満子さんの洗礼名はミカエラ)>>
息子のクリスティアン一色氏によると、ペレ、マラドーナ、ベッケンバウアーなどサッカー界のレジェンド、更に、日本の現役サッカー選手たちがレストランを訪れたことがあるとのことだ。
<<写真:ペレと母ミツコさんと、クリスティアン一色氏 レストランで撮影>>
<<写真:マラドーナと父ダゴベルト氏 レストランにて撮影>>
しかしその一方、コロコロとのつながりは驚くべきものだった。
息子のクリスティアン一色氏は、レコパ(コパ・リベルタドーレス王者とコパ・スダメリカーナ王者の対決)で、ブラジルのクルゼイロとの決戦を制した神話的チーム1992年のコロコロとのエピソードを語った。
自分たちが住む神戸にコロコロがやってくると知ったときは驚きました。
(その年のレコパ決勝は神戸開催だった)
そんな自分たちは、コロコロをサポートするため、レストランのお客さんや友人たちとコロコロの応援団を結成しました。
試合が終わると、自分と父は我慢できずに選手たちのもとに駆け付けようとしました。
しかしながら、自分は警備員に制止され、選手たちのもとにたどり着くことはできませんでした。
けれど、父は選手たちのもとへ行くことができたのです!
(当時、コロコロ関係者が一色ファミリーのレストランを訪問していたこともあり、コロコロ関係者と一色ファミリーは既に知り合いになっていた)
<<写真:レコパ優勝メンバーと写真に納まる父ダゴベルト氏 写真左下>>
その後、2008年にチリ代表が、日本代表と東京で試合をするために(キリンチャレンジカップ)来日した。
その際、父ダゴベルト氏は試合に招待され、チリの国歌斉唱の大役を担った。
(ダゴベルト氏は自らが経営するレストランで歌を披露することも多かった)
残念ながら、父ダゴベルト氏は2021年5月21日に逝去された。
その日は、チリの海軍記念日(チリの祝日)で、チリ海軍に所属していたダゴベルト氏にとって特別な日だった。
息子のクリスティアン氏はWEリーグINAC神戸の通訳に就任している。その前は、清水エスパルス、サンフレッチェ広島、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸でも仕事をした。
チリの有名テレビ番組名Siempre hay un Chileno(国外に移住したチリ人たちのストーリー)のように、チリ人はどんな場所にもいるものなのだ。
いつか一色さんのチリ料理レストランに行きたい
静岡県出身、首都圏在住。所帯持ちの自分ゆえ、神戸に遠征することが容易でない身だが、いつかクリスティアン一色さんのチリ料理レストラン、グラン ミカエラ イ ダゴに行ってみたい。
海に面したチリの料理は魚介類も使いつつ、肉も使用するし日本人には比較的食べやすい料理と思うし、いつか絶対に行かないと、と思っている。
<<レストラン グラン ミカエラ イ ダゴ のホームページリンク>>
<<写真:グラン ミカエラ イ ダゴのインスタ 魚介類のスープ>>
<<写真:グラン ミカエラ イ ダゴのインスタ チリの肉料理>>
<<写真:グラン ミカエラ イ ダゴのインスタ 「元カレ/元カノよりも冷たいビールあります」というスペイン語でキンキンに冷えたビールの提供をPR>>
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