ゼ リカルドでチームはどう変わる?ブラジル識者の見解

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Photo : Instagram (@zericardo.oficial)

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ブラジル大手グローボによるゼ リカルド評の記事

ゼ リカルドは2022年にブラジルのバスコ・ダ・ガマの監督に就任し、6月初旬までバスコで監督を務めた。

2022年にゼ リカルドが指揮したバスコは、ブラジル・セリエB(全国2部)でリーグ戦10試合中4勝6分け(リーグで唯一の負け無し)。

ブラジル全国1部のフラメンゴ、クルゼイロ、フルミネンセなどとも対戦するリオデジャネイロ州選手権などを含めた2022年の公式戦全てでみると、25試合中12勝8分5敗だった。

そんなゼ リカルドが2022年のバスコの監督に就任すると決定した2021年12月、ブラジルの大手メディアグローボは、ブラジルの識者による、ゼ リカルド監督とはどんな監督で、バスコをどう変えるかという見解記事を掲載した。

<<グローボ 2021年12月12日記事>>

上述のように記事は2021年12月のもので、やや古い記事だし、記事の目的は、2022年のバスコがどうなるか占うという意図があった。

しかしながら、ブラジルの識者がゼ リカルドをどう見ているかは、今後の清水エスパルスを想像するうえで、ひとつの参考になると思い、記事にすることにした。

以下にてグローボの記事の内容を紹介する。

ゼ リカルドでバスコはどう変わる?識者の意見

ゼ リカルドはブラジル、特にリオデジャネイロで有名だ。

リオではフラメンゴ、バスコ、クルゼイロ、フルミネンセというリオの4大クラブのうち3つ(フラメンゴ、バスコ、クルゼイロ)の監督歴がある。

2022年、ゼ リカルドは自身のキャリアで初めてシーズン初めからチーム作りを行う。

それまでのゼ リカルドは常にシーズン途中からチームを引き継ぐ形での監督就任だった。既に選手補強などが済んでしまったあとに新監督として就任し、好スタート切るもののシーズン終盤にやや失速し、シーズン終了で契約を終えるというパターンが多かった。

一方、2022年のゼ リカルドは異なる状況を持っている。9人の選手放出が決定している一方で、補強はこれから。チームのダイレクターもまだ決まっていない。

ゼ リカルドはこれまでの事例を見ると、攻撃よりもまず守備の構築をすることに長けている。

– 彼はチームの構築に長けている。特に守備の部分。彼が率いるチームは手堅く、守備の連動にも問題が少ない。ブラジルのセリエBを戦ううえでとても重要なポイントだ。

彼は競争力のあるチームを作る能力がある。

難点があるとすればベッタリと引いた守備をするチームに対する攻撃だ。チームはボールを動かしゲームをコントロールすることができるが、決め切ることができないことがあった。それがブラジルでの印象だ。

しかしながら、ゼ リカルドは監督として良い選択肢だし、競争力のあるチームを作ることができる。

(一方、問題もある。この記事が出た当時、2022年シーズンにバスコでは、まだ誰が補強など来季の選手を決めるのか、ゼ リカルドの上の立場の人間が誰なのかなど決まっていない)

カルロス・エドゥアルド・マンスール SporTV, Globo記者

2016年にムリシー・ラマーリョ監督の後を継ぎフラメンゴの監督に就任し、(その後バスコ、ボタフォゴ、フォルタレーザの監督を経て)2019年のインテルナシオナルの監督まで、ゼ・リカルドは4-2-3-1の布陣を敷くことを好み(フォルタレーザでは4-3-3を試したが)チームがボールを持たない場面では4-4-2に変形することもあった。

守備の構築に関してはイタリアサッカーに強い影響を受けたと、ゼ リカルドは以前のインタビューで語ったことがある。2020年には監督業を休業しラツィオ、フィオレンティーナ、ミランで知見を深めた。

 

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-自分が思うに、ゼ リカルドは組織をマネージする勉強も重ね色々な物事に対し準備ができている良い監督だ。

彼のチームは独自の特徴を持ち、短い時間で仕事の成果を見ることができる。しかしリオの3クラブを率いた時は、シーズン折り返しから終盤にかけ質が落ちる傾向にあった。

2022年のバスコでは初めて白紙の状態からチームを作り、途中で補強などで再構築することもできる。現状バスコが招聘できる監督の選択肢のなかでベストの選択肢のうちの一人だろう。また過去の経験から、サッカークラブ内の政治などについてもわかっている。

ジャーナリスト レオナルド・ミランダ 自らのブログにて

2020年、ゼ リカルドは監督業を休業し、2021年はカタールSCで7試合の指揮にとどまったため分析は難しい。

しかしながらゼ リカルドには自らの明確な考えがあり、併せて、指揮するチーム・選手たちの特徴に合わせることができる。

フラメンゴではポゼッション、2017年のバスコではカウンターアタック、ボタフォゴやインテルナシオナルでは長いボールを使い速い攻撃を見せた。

過去の例を見ると、攻撃時に3人の選手でボールの出口を作りそこを使う。
ボランチのひとりがセンターバックの間に降り、サイドバックは左右に開く。
一方で、左右ミッドフィールダーは中に絞り、サイドバックが上がるスペースを作る。それを利用した深い位置への侵入と、そこからのクロスも特徴だ。

一般的に攻撃とは、敵陣深い位置でのことを連想させる。しかしながら、自分のチームではボールを奪ってから既に攻撃が始まる。

プレスをかけボールを奪い、敵陣へ侵入するための攻撃を始める。自分はポジショナルプレーが好きだし、それに長けていると思う。ライン間にスペースを作り、フィニッシュに向け、作り出したスペースを使っていく。

特に相手の背後にスペースを作るために相手をひきつけ、作り出したスペースのところから攻撃を仕掛けていくんだ。

ゼ リカルド 2020年3年の発言

ゼ リカルド日本での初練習・会見

2022年6月14日、清水エスパルスの練習を初めて指揮したゼ リカルドは記者会見に臨んだ。そこで彼は以下のようなことを語った。

ブラジルの創造性あふれるサッカー

一対一を積極的にトライするサッカー

日本の組織的でスピード感あるサッカーと相まって強みを出していきたい

戦術的に変化も多少あるかもしれないが、大きく全部変えることはできないのでベースとなるのは自信を取り戻す部分や戦う姿勢を前面に出して90分戦えるかが重要

NHK 静岡 NEWS WEBより)
エラー - NHK

ブラジル・グローボの記事によるとゼ リカルドはシーズン途中のチームを引き継ぎ改善する経験を備えているようだ。

とはいえ容易なミッションでない。
特に、初戦のアビスパ福岡戦までは来日してから1週間しかない(ブラジルから来日した直後数日は時差ぼけも残っているだろう)。

ゼ リカルドには時間が必要だろうし、監督に対する信頼も必要になるだろう(とはいえ、清水に時間をかける余裕がそこまでないというのが辛いところだけれど)

とにかく、サポーターとしてはまず週末のアビスパ福岡戦を熱烈に応援したい。


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