ブラジル大手メディアLance! 清水の近年の状況を踏まえて報道
ブラジル時間の2022年6月5日。
ブラジルのセリエBの監督バスコ・ダ・ガマを率いるゼ・ヒカルド(Ze Ricardo)監督が電撃辞任し日本の清水エスパルス新監督に就任する旨を報道した。
備考:
登録名はゼ・リカルドとなる可能性もあるが、この記事ではブラジル・ポルトガル語の発音に近いゼ・ヒカルドと表記。
(ゼ・ヒカルド監督インスタ バスコへの感謝と別れ、清水エスパルスの監督就任について書かれている)
ブラジルの報道を複数見てみると、この決定が突然だったこと、バスコ会長の会見の内容など、バスコ及びゼ・ヒカルド監督について多く語られる一方、清水エスパルスがどういう状況かに関して言及はほとんどなかった。
そんななか、ブラジルの大手メディアLanceは清水エスパルスが近年監督の入れ替わりが激しいこと、J1降格危機から脱しないといけない状況などを説明している。
その内容を日本語で紹介したい。
尚、記事の筆者は、日本のサッカー及び清水エスパルスの状況を良く理解しており、日本に詳しいブラジル人ジャーナリストのチアゴ・ボンテンポ(Thiago Bomtempo)氏の記事かとも想像したが、彼はGloboに記事を書くことが多く、上述のLance!の記事には記者名が無いため誰の記事かはわからないが、しっかり日本の状況を踏まえている印象だ。
ゼ・ヒカルド、J1降格危機と戦うためバスコを去る
清水エスパルスは近年低迷し、監督解任を続けている。
ゼ・ヒカルドの新たな目的地は日本の清水エスパルスになる。
ただ、彼の日本での生活は簡単なものにはならないだろう。
なぜなら、彼が新たに就任するクラブは日本のトップリーグからの降格危機と戦うことになるのだから。
清水エスパルスは現在リーグ戦16位、勝ち数はわずか2で、7分け7敗と苦しみ、ここ5試合勝利が無い状態に苦しんでいる。
勝ち点は13で、16位という順位はJ2との入れ替え戦にまわる順位だ。
清水にとってすべてが容易ではないシーズンになっている。ルヴァンカップも6試合中2勝に終わった。
エスパルスには元フラメンゴやパウメイラスのジャウミーニャ、元フルミネンセのアラウージョなどブラジル人アイドル擁したことのあるクラブだが、同時に、監督が安定しないクラブとしても知られている。過去4年で6回監督が変わっている。
昨シーズンはミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を迎えるも、シーズン途中に平岡監督へと監督が変わり、シーズン最後で何とか残留を決めた。
ゼ・ヒカルドは元セアラーのヴァウド、フラメンゴの下部組織出身のホナウド、パウメイラス育ちのヘナト・アウグスト、元インテル・ナシオナウのチアゴ・サンタナ、元パラナ・クルービのカルリーニョスなどサポーターのアイドルとなっているブラジル人たちと仕事をすることになる。
ゼ・ヒカルドと清水エスパルスの契約は締結済だが、日本サイドではまだ正式発表はされていない。
実際、6月5日朝の時点で日本では清水の次期監督に関する様々な憶測が話題になっていた。
自分は、日本代表vsブラジル代表よりも清水新監督が気になる
今日2022年6月6日は日本代表vsブラジル代表の試合があるが、清水サポーターの自分は、清水エスパルスの新監督の方が気になってしまう。
(写真:ゼ・ヒカルド監督のインスタ)
ゼ・ヒカルド監督は、フットサル指導者からフルコートのサッカーの指導者に移ったというユニークな経歴だ。
調べた限り、フットサルの選手、フットサルの選手兼監督などを経て、フルコートのサッカーの指導者へ移行したとのことだ。
2016年には、フラメンゴの若手チームを指揮し、現清水のロナウドなどとブラジルの若手登竜門コピーニャ優勝をしている。
(ホナウドがコピーニャ優勝経験という話や2016年のコピーニャ決勝フラメンゴvsコリンチャンス決勝の映像は下記)
ゼ・ヒカルド監督は、「(フォーメーションは所属する選手次第というところもあるが)、4-1-4-1は選手に落とし込みやすく、交代なしでも戦い方を変えられるのが利点」という趣旨のコメントとともに、4-1-4-1を好むとのコメントを以前に何度か残している。
エスパルスではどのような戦い方をするかも気になるところだ。
尚、今シーズン指揮していたバスコでは、ブラジルセリエBながらリーグ戦10試合中4勝6分け(リーグで唯一の負け無し)の4位、また2022年の公式戦全てでみると、25試合中12勝8分5敗だった。
次のJリーグの試合まで日数があるため、更にゼ・ヒカルド監督のことを調べて想像を膨らませたいが、何はともあれ良い監督で、今回こそはエスパルスを立て直し、安定した監督としてチームを指揮してくれることを切に願う。
(最新記事情報はTwitterにて紹介。もしよろしければフォローをお願いします)
コメント