清水エスパルスを去るゼ リカルド監督との個人的なメッセージのやり取り

Jリーグ
Photo:Instagram (@zericardo.oficial)

DAZN

清水エスパルス、ゼ リカルド監督との契約を解除

2023年4月3日、清水エスパルスがゼ リカルド監督との契約解除を発表した。

J2開幕後の悪い流れを考えると、清水エスパルスが下した決断は、プロクラブとして致し方ない判断だったとも言える。

だが一方で、もちろん、毎年連続で監督交代のニュースを見るのは、清水エスパルスのサポーターとしては気持ちが暗くなる出来事でもあった。

個人的に、自分はゼ リカルドのサッカーに光を見ていたし、今でも良い監督だと思っている。

もちろん、ゼ リカルドが昨年2022年シーズン途中から引き継いで、昨年夏頃は一時持ち直したものの、シーズン後半に入ると良い試合をしながら、試合の終盤の失点を続け勝ち点を取り逃す試合が続き、結果J2に降格したこと。

また、J2でも開幕から勝ちがなかったことを鑑みれば、「どこが良い監督なんだ?」と言う人も少なくないだろう。

ただ、他の人がなんと言おうと、自分から見ると、ゼ リカルドになってピッチの上で整理されたことや進歩した点も多く、ゼ リカルドは人柄も含め魅力的な監督だと思う。

もちろん、結果が全てのプロの世界で結果が出ていなかった点は自分も認めるし、この流れでの監督交代は、理解できる決断ではある。

クレーベル・サントスコーチとコーチとの交流

昨年、ブラジルの指導者向けYouTubeの生配信に、ゼ リカルド監督の右腕とも言えるクレーベル・サントスコーチが出演したことがある。

自分はその生配信で、クレーベルコーチと何度かやりとりをした。
そういうこともありクレーベルコーチに、自分は存在が認知され、生配信の後ほんの少し連絡をとった。

もちろん自分としてはひとりのサポーターとしての立場をわきまえ、変に突っ込んだ話はせずに、敬意を持って、ゼ リカルド監督やコーチングスタッフ一同を応援する旨を伝えた。

そういう経緯があり、清水エスパルスがゼ リカルド監督との契約を解除する旨の発表があると、まずクレーベルコーチに連絡を入れ、その後ゼ リカルド監督へ連絡を入れた。

ゼ リカルド監督に連絡をするのは初めてだったが、クレーベルコーチが一緒にいたと想像され、返事を返してくれた。

以下、ゼ リカルド監督に公表する旨の許可を得たうえで、やり取りの内容を紹介したいと思う。

尚、自分はゼ リカルドが去ることを残念に思うと同時に、今は秋葉忠宏新監督を全力で応援する立場である旨を明言したい。

ゼ リカルド監督とのやり取り

ブログ主、ディアリオ・ハポネスからゼ リカルドへ

親愛なるプロフェソール、ゼ リカルド

私は清水エスパルスのサポーターで、以前クレーベルコーチとYouTubeの配信番組などでやり取りをしたことがある者です。

あなたと、コーチングスタッフ一同の退任に関するクラブの公式発表を目にしました。

今でも私は、清水のフットボールはあなたのおかげでとても良くなったと思っています。

私は、あなたの指揮のもと、清水が清水であることを取り戻す、清水エスパルスが清水エスパルスのあるべき姿を取り戻し、多くの勝利を重ねるチームに戻るという希望の光を抱いていました。

しかし残念ながら、私たち清水は、いくつかの場面で不運な点があったり、最後のフィニッシュの部分でうまくいかないところがありました。そして少しのディーテイルなどが要因となり、思い描いていた結果を得ることができませんでした。

しかしながら、私は、リスクを承知で、また、バスコ・ダ・ガマを去ることで巻き起こる批判を受けてまで日本に来る決断をしてくれた、あなたと、あなたのコーチングスタッフに本当に感謝しています。

私は、クラブの内部で何が起こっているのか、分かる立場にはありません。しかし、多分、これがフットボールなのでしょう。

あなたが去ることはとても悲しく、寂しい思いです。

とにかく、あなたと、コーチングスタッフを含めたみなさんに私から強いハグを送ります。
あなた方がどこに行こうと、私は、あなた方のベストと幸運を願います。

繰り返しになりますが、全てにおいて、本当にありがとうございました。何が起ころうと、あなたは私にとって、過去も、今も、そして未来も素晴らしい監督です。

日本にあなたのことを尊敬し、あなたの仕事の価値を理解しているファンがいることを、どうか忘れないでください。

私はこれからもあなたを応援し続けます。
あなたにハグを。

ゼ リカルド監督からの返信

コンニチワ、ディアリオ・ハポネス

別れというのはいつだって悲しいものです。
そして、これまで多くの難しさがあったことを告白します。

しかし、悲しさは、私たちが築き上げた思い出の一部でもあります。
喜びと、悲しさ、そして挫折とそれぞれ別の思いがあり、それはまさに人生と同じだと思います。

私たちの夢はいつだって、清水エスパルスを再び強く、尊敬され、恐れられ、大胆不敵で、勇敢で団結したチームにする手助けをすることでした。

これからもずっと、永遠に私たちの心とともにある、清水エスパルスの成功を願い、応援し続けるでしょう。

清水エスパルスに関わる全ての人にありがとう。
ありがとう、オレンジサポーター。
静岡のみなさんに、ありがとう。

あなた方を寂しく思うでしょう。

Zé Ricardo & Staff

ディアリオ・ハポネスからゼ リカルドへ

親愛なるプロフェソール、ゼ リカルド

ご返信を頂き本当にありがとうございます。
試合前のインタビューで、あなたの日本語でのコンニチワが聞けなくなるというのが信じられません。

私は、あなたが清水のオファーを受けたとき、ブラジルのビッグクラブであるバスコを率いていたこと、また、そのオファーがあなたに人生で最も難しい決断を迫ったことを知っています。

あなたが日本に来た時、清水は難しく困難に満ちた期間にいました。

それでもあなた方は、リスクを冒し、ブラジルの巨大クラブを去ることで受ける批判を承知で、清水を率いる決断をしてくれました。

それを知っているからこそ、私は、あなた方の、私たちのクラブ清水エスパルスに対する貢献に本当に感謝しています。

良いときだけでなく、悪いときも、私はいつだってあなたを信じていました。

なぜなら、フットボールが良くなっているという感覚を持ったので。

今シーズンだって、私はチームにポジショナル・プレーの進化を見ていました。残念ながら幾つかの場面で運が足りず、フィニッシュの部分がうまく行きませんでした。

また、もしかすると、私たちは相手ゴール近くでオウサジーア(失敗すると何やってるんだと言われるが、成功すると人々があっと驚き喝采するような何かを披露する大胆さ)を見せるためのコラージェン(勇敢さ)も足りなかったかもしれません。

ちょっとした細部の差で、思うように結果が出ずに…もちろん、これがフットボールだとわかってはいますが…。もう既に、あなた方のことを寂しく思います。

しかし、先ほど私のメッセージでも書いたように、何が起ころうと、あなたは私にとって過去も、今も、そして未来も素晴らしい監督です。私は、あなたと、あなたのコーチングスタッフを称え続け、みなさんを応援し続けます。

あなたが今後率いるクラブは、私にとってのお気に入りのクラブとなるでしょう。もう一度、強いハグをあなた方に送ります。

あなた方がどこにいようと、私はあなたたちのファンです。

本当にありがとうございます。プロフェソール。

追伸:
恐縮ながら質問させてください。あなたから頂いたメッセージを、清水のサポーターと共有しても良いでしょうか?

もちろん、あなた方に迷惑をかけたくありません。

ただ、もしも問題がないのであれば、あなたの言葉を共有したいのです。
あなたの言葉をもっと聞きたがっている人は、多くいるはずですから。
(けれど、繰り返しになりますが、あなたに迷惑をかけるのは本意ではありません。もしも、あなたにとって問題がないのであれば、という形で質問させて頂きます)

ゼ リカルド返信

あなたの言葉に心から感謝します。

もちろんです。全ての言葉は、私たちの心からの思いなのだから。
あなた方の成功を願ってます!

 

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秋葉忠宏 新監督を全力で応援

ゼ リカルドの退任は、いろいろな意味で残念だが、次の試合はやってくる。

清水エスパルスの置かれた立場は非常に厳しいが、それでも清水はJ1復帰を目指すチームだ。そのための新監督として就任した秋葉忠宏監督を、自分は全力で応援したい。


秋葉新監督にとって簡単な状況でないが、清水が浮上するよう、自分は心の底から清水エスパルスを応援する所存だ。


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