清水エスパルス監督ゼ リカルドとイタリア

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イタリア系のゼ リカルド

以前の以下記事で紹介したように、清水エスパルスの監督ゼ リカルドはイタリア系ブラジル人だ。

 

そんなゼ リカルドは守備の構築に関しイタリアサッカーの影響を受けていると、ブラジルの識者がゼ リカルドをどう見るかを紹介した以下記事でも記載されている。

 

また、ブラジル大手Globo Esporteの2017年の以下の記事ではゼ リカルドとイタリアとの結びつきに関して、このような記載もある。

(出典: Globo Esporte 06/01/2017)

 

ゼ リカルドの父アレッサンドロ・マンナリーノは15歳のときにイタリアからブラジルに移民してきた。父はゼ リカルドにとってアイドルだった。

「父は私にとってのリーダー像のお手本です」とゼ リカルドは言う。

「父は私を叩こうとしたこともなければ、実際に私に手をあげたことも、声を荒げることもありませんでした。父は一日中仕事をしていました。(父が開いた)新聞スタンドで苦労しながら働き、毎日遅くに家に帰ってきました。私は、父が家に帰ってくると、とても嬉しくなったことを覚えています」

更に上述の2017年のGlobe Esporteにはこのような記載もある。

私の父はイタリアからの移民です。1950年にイタリアからブラジルにやってきました。母(オリビア)はブラジル生まれですが、イタリア系です。
上述の記事及び、ゼ ロベルトの過去の別のインタビューなどから、ゼ リカルドがイタリア系という自らの起源を大切にしているという印象を自分は持った。

イタリアサッカーの影響

冒頭でも記載のように、ブラジルで生まれ育ったゼ リカルドは、ブラジルのみならず、イタリアサッカーに影響を受けているとされている。

例えば、以下の記事には、ゼ リカルドは若かりし頃、イタリアで指導者として働いていたことがあり、その当時、時代を席巻していたアリゴ・サッキのファンになったことが紹介されている。

(アリゴ・サッキ:1980年代にACミランで「ゾーンプレス」を代名詞とし多くのタイトルを獲得し、1994年W杯ではイタリア代表監督を務めた)

タ italiana: Valentim e Z Ricardo trocam elogios:
A final do Campeonato Carioca, entre Botafogo e Vasco, promoverá um encontro de ideias e conceitos inovadores. Jovens treinadores, Alberto Valentim, de 43 anos,...

ゼ リカルドは攻撃的なサッカーを好むという声があったし、実際に彼は過去のインタビューなどで、攻撃を好む発言をしていた。

しかしその一方、リーグ戦のアビスパ福岡戦(勝ち)、セレッソ大阪戦(引き分け)及び天皇杯の京都サンガF.C.戦(負け)を見た限り、攻撃サッカーを標榜し失点覚悟で攻めまくるというよりは、守備をおろそかにせず、現実的な戦い方をするという印象を自分は持った。

そういう現実的な戦い方はイタリアの影響もあるのだろうと個人的に想像している。

2020年、ゼ リカルド、イタリアで研修

この下にリンク記載の以下のGlobo Esporteの記事(2020年3月13日付)にあるように、ゼ リカルドは2020年にブラジルサッカー連盟の監督ライセンスプログラムの一環としてイタリアのいくつかのチームを周っている。

 

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その記事で、以下のような記述がある。

<<Globo Esporte 2020年3月13日から一部引用>>

(若い頃)イタリアでフットサルの指導者として活動したゼ リカルド、フルコートでの監督経験を積んだ後の2020年、ラツィオ、フィオレンティーナ、ACミランで研修。

ブラジル人ゼ リカルドはブラジルサッカー連盟の監督ライセンスの研修を終え、ラツィオ、フィオレンティーナ、ミランとの短期交流を行った。ゼ リカルド曰く「戦術面において多くの収穫があった」

ラツィオでの研修にて、ゼ リカルドは(当時の監督だった)シモーネ・インザーギと話をする時間を多く取ることが出来た。ゼ リカルドはシモーネ・インザーギと3バックに関して意見交換をした。

ゼ リカルドは「ブラジルでは3バックは守備的という偏見があるが、U20の試合など下部組織にて使用される戦い方でもある」と言う。

ブラジル人監督が3バックを使用しているイメージはないが、ブラジル人のゼ リカルドは3バックを全く拒絶するわけでなく、選択肢のひとつとして柔軟に考えているようだ。

ちなみに、同記事内ではゼ リカルドが、「イタリアに加え、ポルトガルも回ってサッカーについて勉強をしたかった(2020年当時の話のため、コロナによって断念したと想像される)。自分はサッカーについて学び続けるのが好きなんだ」とのコメントしている。

ゼ リカルドが清水エスパルスの監督に就任した際、「ブラジル路線の鹿島でさえも欧州の監督に切り替えたというのに、清水エスパルスは時代遅れだ」的なコメントも散見された。

しかしながら、上述の記事、そしてそれ以外の記事やインタビューを見る限り、ゼ リカルドは良いと思ったものは積極的に学び自らをアップデートさせたいという考えを持っている監督だという印象がある。

ゼ リカルドの安定政権なるか

近年の清水エスパルスは監督交代を繰り返している。
土台を作ろうとしては、成績が振るわず監督を変える、ということが続いている。

しかし、安定政権を見たいというのが清水サポーターの気持ちだろうし、今回こそ、そうなって欲しい。

ちなみに、ゼ リカルドも上述2020年3月の記事でこう語っている。

自分は長い時間をかけチームを作る機会を求めている。

(尚、以下記事でも書いたように、ゼ リカルドがブラジルのバスコ・ダ・ガマの監督を電撃退任し、清水の監督になる道を選んだのは、バスコに米国777パートナーズの資本が入り、完全売却も視野に入った状況下で、ゼ リカルドが、自らが安定して指揮をとれない、もしくは777が自分を追い出したり圧力をかけたりする可能性を感じたのが理由という見方もブラジルにはある)

現在の清水エスパルスの順位は降格圏だ。

そんな状況下では、チームから余裕が奪われたり、勝ち点を泥臭く拾うための戦い方も求められるのだろうが、なんとかここを乗り切って、清水には少しずつでも浮上し、良いチームに仕上がって欲しい。

7月2日の横浜F・マリノス戦も苦しい戦いが予想される。

清水のサポーターは、サッカー王国という時代を見た人が多いだけに、清水が攻撃的に出来ないとプライドが許さないという雰囲気の人や、泥臭い戦い方をすることを好まなかったりする人も少なくないが、自分としては、なんとか戦う気持ちを見せ、泥臭くとも勝ち点を取って欲しい。

ゼ リカルドが来日してからあまりにも日が浅すぎるし、降格圏のチームに土台を作りチーム戦術を植え付けるのはかなり難しいミッションだが、なんとかゼ リカルドにはそれを成し遂げて欲しいし、自分としては応援したい。


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