ゼ リカルド(清水新監督)電撃退任のバスコ、アウェー戦勝利
ブラジル時刻2022年6月7日夜(日本時刻6月8日朝)、ブラジル・リオデジャネイロの名門バスコ・ダ・ガマは、ゼ リカルドのバスコの監督退任・清水エスパルス新監督就任発表後、はじめてのリーグ戦(ブラジルセリエB)を迎えた。
そして、対戦相手ナウチコの本拠地(ブラジル東北地方のレシフェ)でのアウェー戦をバスコは暫定監督のもと2-3で勝利をおさめた。
その試合後、試合を指揮した暫定監督のエミリオ・ファロは記者会見の冒頭以下のように語った。
エミリオ・ファロ暫定監督
まずはじめに、このチーム・このプレースタイルの構築を始めた人物について言及したい。
それは、ゼ リカルドだ。チームを率い、組織を作ってくれた。皆さんに、まずはこのことをお伝えしたい。
ゼ リカルドがもう日本に向かっているのか、まだブラジルの家にいるのかはわからない。
しかしながら、ゼ リカルドが今まで積み上げてきた仕事が、今日の勝利につながったことを強調したい。
(動画:エミリオ・ファロ暫定監督記者会見 YouTube Vasco TV )
そして、その後もエミリオ暫定監督は、ゼ リカルド監督の積み上げてきたことが勝利の要因である旨を繰り返した。
もちろん、わかっている。
監督が解任されたあと暫定的に就任した監督が、この手のこと、つまり「前監督の積み上げてきたことを継続し、それが勝利につながった」的なことを言いがちなことを。
実際、過去数年、頻繁に監督が変わっている清水エスパルスを応援している自分にとっては、近年耳にしたことがあるフレーズだ。
しかしながら、バスコ・ダ・ガマを率いていたゼ リカルドを、新監督に迎える清水エスパルスファンの自分は、無理やりにでもエミリオ・ファロ暫定監督の言葉をポジティブに解釈したい。
ゼ リカルド監督は、自らがチームを去ったあとにも、率いていたチームを勝利につなげることができるスタイルを植え付けられる監督なのだと。
もちろん、人生もサッカーもそこまで単純ではないことは、わかっている。
新監督就任のたびに大きな期待を持ち、その監督が安定政権を維持できず退任して失望する。しかし、新たに別の監督が就任すると失望を忘れまた幻想を持つということを繰り返してきた清水エスパルスのサポーターなだけに、自分は、状況が単純でないことはわかっている。
とはいえ、新しい監督が決まった以上、自分は期待をし、応援する姿勢を継続しようと思う。
バスコにとっても状況は単純ではない
ゼ リカルドの電撃退任後、2日の限られた時間でチームをまとめ、アウェーの勝利に導いたエミリオ・ファロ暫定監督の上述会見動画(バスコ公式YouTube)には、バスコサポーターから、ゼ リカルドの路線を継承するエミリオ暫定監督の正式監督就任を期待する声も多い。
ただ、暫定監督がブースト勝利を得たとしても、その後が続かないことも少なくないし、エミリオ暫定監督が次に負けたらバスコサポーターは手のひらを返すだろう。
バスコにとっても状況は単純でない。
そして、バスコの状況をさらに複雑にするある案件があり、ゼ リカルドの電撃退任は、その案件が関与しているのではないか、と勘繰るバスコサポーターもいる。
アメリカ企業 777パートナーズ (777 partners)
自分がバスコに関する記事を読み込む限り、2022年の初頭ころからアメリカ企業777パートナーズがバスコ・ダ・ガマに資本を注入し、さらに完全買収をし、経営権を握ろうという動きがある。
777は欧州のクラブの買収や、株式取得(スペインのラリーガのセビージャの株式も保有していると報道)を行っており、マンチェスターシティーを擁するシティー・グループのようなことを行う野心があるという記事もある。
777のバスコへ関与に関し今年のはじめ頃から話があがり、今年の5月末頃になり777のバスコの完全な買収手続きが正式完了間近かという報道も出てきている。
それに合わせ、先月末頃に777はゼ リカルドを外し、777が連れてきた監督を就任させたいなどという情報も併せて出ており、バスコと777との交渉が、ゼ リカルドの電撃退任、清水エスパルスのオファー受け入れの要因になったのではと見るバスコのファンもいる。
日本でネット記事を読んだだけの自分が確信をもって発言はできないが、ゼ リカルドの清水監督就任の背景にバスコ・ダ・ガマを取り巻く状況が影響した可能性もゼロではない。
ゼ リカルドとはどんな人物で、どんな監督なのかは引き続き調べたいと思う
もちろん、バスコの内情がどうであれ、ゼ リカルドのバスコ退任の背景がどうであれ、自分にとって大切な事実は、清水エスパルスの新監督がゼ リカルドになったということだ。
そのため、ゼ リカルドに関しても色々調べているのだけれど(ブラジルの試合をフル視聴できないため、監督としてどうなのか測るのが容易でない)、どんな人物か、過去にどんなコメントを残しているかなど調べているので、次の記事でそれらを書いてみたいと思う。
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