試合当日になんとかバルセロナに到着
下記記事にて書いたように、現地時間2013年10月26日午後6時キックオフのクラシコの前日、現地時間10月25日に到着する予定だったが、日本からの飛行機がキャンセルされた。
そのため、バルセロナ到着が試合当日の10月26日となった。
更に飛行機が遅れたらアウトだったが、幸いそれ以上の遅れはなく10月26日の午前にバルセロナの空港に到着した。
入国審査や荷物受け取りなどを経るとタクシーに飛び乗り、予約してあったホテルのフォーポインツ・バイ・シェラトン・バルセロナ・ディアゴナルへ向かった。
カンプノウまでのアクセスが良いとは言えないが、2013年当時のバルセロナはホテルのレートが全体的に高かったなか、予算の範囲内から選んだホテルだった。
ホテルに到着し、チェックインのためにフロントの係員と話をした。
係員からは自分がホテルに到着した前日の10月25日から既に予約があったため、宿泊できなかった10月25日分の宿泊費も請求される旨の説明があった。
自分は、フライトが大きく遅れ、昨晩到着の予定が、今になってしまった旨を伝え、10月25日から費用請求されるのは理解している旨を伝えた。
「すいません」30代と思われるホテルのフロント係員の男性が自分に言った。「あなたはアルゼンチン訛りのスペイン語を話しますね。アルゼンチンに住んでいたんですか?」
「いえ、アルゼンチンには何度か行ったことはありますが、アルゼンチンに住んだことはありません」と自分は答える。「フアン・ロマン・リケルメがカルロス・ビアンチ率いるボカで、パブロ・アイマール、ハビエル・サビオラ、コロンビア人のアンヘルなどがガジェゴ監督率いるリーベルでプレーしていた頃、日本のケーブルテレビのスポーツチャンネルでアルゼンチンリーグが放送されていて、自分はそれを副音声のアルゼンチンの実況で見ていたんです。また仕事でアルゼンチンとアクセントがほぼ同じのウルグアイの人たちと接していることもあり、自分のスペイン語はアルゼンチン・ウルグアイのアクセントが混ざっているんです」
「なるほど」とフロント係員は言った。「実は私は、アルゼンチン人なんです。だから、あなたのスペイン語の話し方を聞いて、驚きました」
「あなたのアクセントから、あなたがアルゼンチン人だとすぐに気づきました」と自分は言った。「今夜はアルゼンチン人のメッシが出る、クラシコを見に行くんです。長年の夢だったので楽しみです」
「それは素晴らしいですね」とホテルの係員は言った。
クラシコのカンプノウの雰囲気は特別だった
FCバルセロナの公式ホームページにはカンプノウの最寄りの駅はパラウ・レイアル、ラス・コルツ、コイブラン、もしくはバダルのいずれかと紹介されているが、自分ははじめてカンプノウに行ったときに下車したのが、マリア・クリスティーナ駅だったことから、その思い出をたどるようにマリア・クリスティーナ駅からカンプノウに向かった。
既にカンプノウには何度か行ったことがあったが、クラシコでのカンプノウは独自の高揚感や緊張感が感じられた。
カンプノウに向かい歩いていると、見たことがある顔を見つけた。
成田空港で、フライトキャンセル騒動にともに巻き込まれつつも、なんとかクラシコに間に合うようにしようと話をした、日本からの出張帰りのバルセロナ人の紳士だった。何万人もの人がいるスタジアム近辺で、まさか再会するとは思わず、お互い驚き、笑った。
そして、ともにフライトキャンセルを乗り越え試合開始までにバルセロナに到着できたことをお互い喜んだ。
カンプノウに入場
スタジアムでサッカー観戦をするとき、全体が俯瞰できる座席が好きだ。
カンプノウでならば、メインスタンドかバックスタンドの2階という位置だが、自分が入手できた座席は幸いなことに、まさにその位置だった。
スペイン人も同じく全体を俯瞰できる場所を好むとされており、特にメインスタンド2階席は良い席とされ、価格も高い。
自分はメインの2階、タッチラインのやや左寄りだったが、自分の座席のすぐ右手はクラブ役員や対戦チームの会長が座るエリアだった。
(実際、レアル会長のフロレンティーノ・ペレスが現れ、そこで観戦しているのを近距離で確認できた)
スタジアムを眺めると、まだ空席が目立つ。
試合開始まで時間がある段階ではスタジアムの座席はガラガラだが、現地ファンはキックオフ直前に集結し、結果として試合開始時には超満員になることは経験上わかっていた。
フライトキャンセルなどいろいろあったが、ついに自分にとって「死ぬまでにしたいこと」のひとつであったクラシコ観戦が実現するんだという感慨にふけった。
<<続く(下の記事へ)>>
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