パラグアイでジェフ千葉のスカウトと疑われた

パラグアイ

DAZN

パラグアイのラジオ局のインタビュー


「あなたは、エドゥアルド・アランダやホルヘ・サリーナスのように、オリンピアの選手をジェフ千葉、もしくは日本の他のクラブに引き抜こうとしているのではないですか?」
パラグアイ出張時、取引先に連れていってもらったスタジアムでオリンピアの試合を見ていたら、ラジオ局のリポーターにそう質問された。

自分は、とても驚き、そして戸惑った。

オリンピアの本拠地エスタディオ・マヌエル・フェレイラ

 

オリンピア・アスンシオン

南米パラグアイには首都アスンシオンを本拠地とするオリンピアというクラブがある。南米王者を決めるコパ・リベルタドーレス杯を1979年、1990年、2002年の3度制し、元ジェフの廣山望が所属したセロポルテーニョと強いライバル関係にあるパラグアイの名門チームだ。

自分の取引先にはオリンピアのサポーターが多く、自分がパラグアイ出張に行った際に試合がある際は、オリンピアの試合へ連れていってもらっていた。

2017年に自分がパラグアイを訪問したときも同様に、自分はオリンピアの試合観戦をアレンジしてもらった。

オリンピアは、国内最大のライバルであるセロポルテーニョとの試合や、コパ・リベルタドーレスなどより多くの観客が入る試合ではデフェンソーレス・デル・チャコ(1999年パラグアイ開催のコパアメリカにて日本はこのスタジアムでパラグアイに4-0で敗れた。収容人数約42,000人)を使用するが、クラブ独自の本拠地としてエスタディオ・マヌエル ・フェレイラ(収容人数22,000人)を擁し、その日の試合はマヌエル・フェレイラ開催だった。

取引先には熱狂的なオリンピアファンもおりメインスタンドの選手入場エリア・オリンピアベンチ近くの生涯ソシオ専用ゾーン(この記事冒頭の写真にあるExculsivo Socio Vetalicioのエリア)に座席を持つ人もおり、自分もそのエリアの席で試合を見ることになった。

試合開始前、座席に座って取引先と話をしていると、肩から斜めにかけたアンテナ付き機材とマイクを持つ人に声をかけられた。「セニョール。オリンピアの試合を見に来ている日本人がいると聞き、あなたにインタビューをしに来ました。少しお話をうかがってもよろしいでしょうか?」

突然異国でラジオ局にインタビューをされるという事態に驚きながら自分は言った。「はい。いいですよ。ただし、私のスペイン語は完全ではないですが、ご容赦ください」

「わかりました」とラジオ局のレポーター。「オリンピアについてどう思いますか?」

「オリンピアはパラグアイの名門で、偉大なクラブであるということは知ってます」と自分。「また、現在は日本の2部リーグに所属するジェフ千葉でプレーする2人のパラグアイ人、エドゥアルド・アランダとホルヘ・サリーナスは以前オリンピアでプレーしていたことも知っています。日本では、私はジェフとは別のクラブのサポーター(自分はエスパルスサポーター)のため、詳しくは語れないのですが、SNSなどの反応を見る限り、ジェフで愛されているようです。また、以前オリンピアでプレーしていたということで、プレーの質も高いのだと考えます」

すると、ラジオレポーターはポイントはそこだ、という顔をしながら言った。「私がここに来た理由はそこです。あなたは、エドゥアルド・アランダやホルヘ・サリーナスのように、オリンピアの選手をジェフ千葉、もしくは日本の別のクラブに引き抜こうとしているのではないですか?」

スカウトではないと言っても疑われ、別のラジオ局からも話を聞かれる

「えっ?」と自分は驚いた。「まさか。違います。自分はパラグアイに日本製品を販売しており、その顧客との商談のためにパラグアイに来ているのです。自分はサッカーが好きなので、試合を見に来ていますが、パラグアイ来た目的はサッカーではありません」

しかし、レポーターは信じなかった。「日本製品を販売、というのはカバーの話で本当はスカウトなのではないですか?今日の試合では誰に注目していますか?誰を日本に連れて行くつもりなのですか?」

戸惑いながら取引先の人たちを見ると、その人たちはおもしろそうに笑っていた。仕方ないので、自分は言った。「誰を連れて行くも何も、自分はスカウトではないので答えようがありません。とにかくオリンピアが勝つことを願っています」

自分はそう言ったものの、レポーターは信じず、しばらくの間自分は、元オリンピアの選手を同時に2名保有しているジェフ、もしくはその他クラブのスカウトという前提で話をされ、それを都度否定するというやりとりが行われた。

驚くべきことに、そのレポーターが去ると、別のラジオ局のレポーターが同じように、自分のもとにきた。そして、その別の局のレポーターから、元オリンピアの選手二人がジェフに所属しているという理由で、スカウトである身分を隠してスタジアムに来ている日本人という立場で話を振られ、都度自分が否定する、という運びとなった。

エドゥアルド・アランダ、ホルヘ・サリーナスという元オリンピアの選手がプレーしているということで、日本から地球の裏側にあるパラグアイの人たちは日本のジェフ千葉のことを知っていて、また日本人の自分、もしくは、ジェフのサポーターは元オリンピア出身の2選手ということを通じ、パラグアイという国を意識することになる。

サッカーの影響力は大きいと、つくづく思った。

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