2026年10月11日

AFAとリーベルが決裂か アルゼンチン代表がモヌメンタル使用中止と報道… メッシ送別試合で亀裂深まり、2030年W杯への影響は?

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アルゼンチン代表が長年ホームスタジアムにしているエスタディオ・モヌメンタル

アルゼンチンサッカー協会(AFA)とリーベル・プレートの関係が悪化するなか、アルゼンチン代表が同クラブの本拠地エスタディオ・モヌメンタルでの試合開催を取りやめる方針だと報じられた。アルゼンチン紙『LA NACION』が10月9日に伝えている。

 

同紙によると、クラウディオ・“チキ”・タピア会長が率いるAFA内部では、今後モヌメンタルを代表戦の会場として使用しない方針が固まっているという。ただし、AFAによる正式発表は確認されておらず、実際にいつから会場が変更されるかは明らかになっていない。

 

今回の問題の背景には、国内サッカーの運営方針をめぐる両者の対立に加え、10月6日にモヌメンタルで開催されたリオネル・メッシのアルゼンチン代表引退記念試合での出来事がある。

 

◼️国内サッカー改革をめぐり、両者の関係が悪化

 

AFAとリーベルの関係は、メッシの引退試合以前から緊張状態にあった。

 

リーベルのステファノ・ディ・カルロ会長は、国内リーグの審判問題や大会運営に対して批判的な立場を示してきた。

 

『LA NACION』によれば、同会長は8月の記者会見で審判について厳しい発言を行ったほか、クラブはAFA執行委員会で国内サッカーの改革案を提示。大会の収益拡大などを提案したものの、タピア会長やほかのクラブ幹部との意見の相違が表面化した。

 

さらに、9月22日のAFA執行委員会では、タピア会長がリーベル側に対し、メッシの引退試合におけるモヌメンタルの使用料を徴収せず、その相当額を慈善団体に寄付するよう提案した。

 

この要求については『Olé』『TyC Sports』『Clarín』の複数メディアが報道。『Olé』は、リーベル側がこの提案を快く受け止めていなかったと伝えている。

 

使用料の寄付要請は、両者の関係悪化を象徴する出来事の一つとなった。

 

◼️メッシ引退試合でタピア会長にブーイング

 

 

10月6日、モヌメンタルではメッシのアルゼンチン代表引退記念試合が開催された。

 

アルゼンチンはベナン代表に3-0で勝利。ニコラス・オタメンディとニコ・パスが得点を挙げ、メッシもPKでゴールを記録した。試合には8万5000人を超える観客が集まり、長年代表チームを支えてきた主将の最後の雄姿を見届けた。

 

しかし、この歴史的な一戦では、タピア会長に対する抗議の声も上がった。

 

『LA NACION』の現地取材によると、試合開始前からタピア会長を非難するチャントが複数の観客席に広がり、スタジアムの広い範囲でブーイングが発生した。

 

同会長はピッチ上でメッシに記念品を贈ることはなく、別の場所で贈呈を行った。一方、リーベルのディ・カルロ会長は、メッシをクラブの名誉会員として表彰した。

 

タピア会長がピッチ上での表彰を行わなかった理由は公式には明らかになっていないものの、同紙は観客からの反発が影響した可能性を指摘している。

 

◼️イベント運営をめぐっても双方の主張が対立

 

さらに、試合当日のイベント演出をめぐっても新たな問題が発生した。

 

AFAからイベント運営を委託されていた制作会社Marketing Sportsは、10月9日に声明を発表。大型スクリーンの撤去や代替設備の設置、音響・照明などに関する問題が、予定していた演出の実施に影響したと説明した。

 

『TNT Sports』や『LA NACION』によると、制作会社はスタジアム側の設備や運営上の制約を指摘した一方、リーベル側も反論している。

 

リーベル側は、大型スクリーンの撤去を7月8日に発表していたことや、イベントに必要な電源設備について提案していたことなどを説明。また、運営に関する協議が試合前日に行われた点も指摘したという。

 

双方の説明には食い違いがあり、イベントで発生した問題の責任の所在が明確になったわけではない。

 

しかし、以前から続いていたAFAとリーベルの対立を、さらに深刻化させる出来事となった。

 

◼️新たな代表戦の会場候補はラプラタ

 

収容人数85,018人のモヌメンタルに代わる代表戦の会場として名前が挙がっているのが、ブエノスアイレス州ラプラタにある収容人数53,000人のエスタディオ・シウダ・デ・ラプラタ(エスタディオ・ウニコ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ)だ。

 

エスタディオ・シウダ・デ・ラプラタ(エスタディオ・ウニコ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ)

 

『LA NACION』の10月9日付記事では、AFAが今後の代表戦に使用する可能性のあるスタジアムとして同施設に言及している。

 

AFAとラプラタの関係は今回の騒動よりも前から進展していた。

 

2024年末には、AFAとブエノスアイレス州政府が同スタジアムの活用に関する協定を締結。2025年10月28日には、タピア会長が州知事のアクセル・キシロフと進めるスタジアム活用構想を発表した。

 

AFAが施設の改修に資金を拠出し、州政府に使用料を支払う計画も報じられている。

 

ただし、ラプラタでの次回代表戦の日程や、同スタジアムを正式なホームとして使用するという新たな決定は確認されていない。現段階では、有力な代替候補の一つとして位置づけられる。

 

◼️2030年W杯の開催会場はどうなる?

 

今回の対立で、もう一つ気になるのが2030年FIFAワールドカップへの影響だ。

 

2030年大会はスペイン、ポルトガル、モロッコを中心に開催される一方、ワールドカップ100周年を記念してアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイでもそれぞれ1試合が行われる。

 

この開催方式は2024年12月11日のFIFA臨時総会で正式に決定された。

 

同日、リーベルはモヌメンタルが2030年W杯の開催会場に選ばれたと発表。『Clarín』や『LA NACION』も、アルゼンチン国内での試合会場としてモヌメンタルが選定されたと報じている。

 

リーベルは2030年大会を見据え、モヌメンタルの改修工事を進めている。スタジアムの屋根の設置や観客席の拡張などが計画されており、国内最大級の競技施設として整備が進んでいる。

 

一方、AFAとブエノスアイレス州政府が活用を進めるラプラタのスタジアムについても、2025年10月の『LA NACION』の記事では、タピア会長が2030年大会を視野に入れていることが伝えられていた。

 

ただし、今回のAFAとリーベルの対立を理由に、2030年W杯の開催会場がモヌメンタルから変更されるという公式発表は確認されていない。

 

『LA NACION』が10月9日に報じた使用中止方針も、今後のアルゼンチン代表戦に関するものであり、2030年W杯開催会場の変更に言及したものではない。

 

したがって、両者の対立が2030年大会の運営に影響するかどうかについては、今後の動向を見守る必要がある。

 

◼️代表チームとモヌメンタルの関係に転機

 

アルゼンチン代表の重要な試合が数多く開催されてきたモヌメンタル。2022年カタールW杯優勝後の凱旋試合やメッシの引退試合など、アルゼンチンサッカーの歴史的な瞬間を刻んできた。

 

今回の使用中止方針が実行されれば、代表チームにとって大きな変化となる。

 

一方で、AFAとリーベルの関係悪化がいつまで続くのか、また新たな代表戦の会場がどこになるのかについては、依然として不透明な部分が多い。

 

メッシの代表引退によって一つの時代が終わったアルゼンチンサッカー。その象徴的な舞台となってきたモヌメンタルと代表チームの関係も、新たな局面を迎えようとしている。

 

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