2014年W杯ブラジルでの日本代表の拠点選びの失敗など

日本代表

DAZN

2014年ブラジルワールドカップ開幕前、日本の全敗を断言する記事を読む

2014年のブラジルワールドカップ開幕の何ヵ月も前。

ブラジルにワールドカップを見に行くと決めていた自分は、「日本はコンディション調整に失敗し、3戦全敗する」と力強く断言していたブラジル在住の日本人の記事を読んでいた。

2014年W杯・日本は必ず調整不良で全敗する(上) (笹井宏次朗のアリクイの目 : サッカー)
2014年W杯・日本は必ず調整不良で全敗する(下) (笹井宏次朗のアリクイの目 : サッカー)

上記記事の要旨は下記の通りだ。

日本サッカー協会はブラジルのことをわかっていない。

日本の初戦の会場レシフェ、第2戦目の会場ナタールは赤道に近く一年中暑い熱帯圏。
第3戦のクイアバはレシフェ、ナタールのように赤道に近くはないが、基本的に暑く、熱帯圏と大差ない。
日本はグループステージの3戦全て日本の夏のような気候で試合をすることになる。

一方、日本サッカー協会は大会期間中の拠点をサンパウロ州のイトゥーにした。
6月のイトゥーは空気が乾き、涼しく、肌寒いこともある。

イトゥーからレシフェまで直線距離で2,151km、イトゥーからナタールまで2,338km。
東京から台湾までの距離は2,247km。

日本代表は冷え込みの出てくる11月の東京から、試合ごとに亜熱帯の台湾に試合に行って帰ってくるようなもの。

選手は試合どころか、気候の変化と移動で体調を崩し風邪で寝込むのが関の山。
こんなのは、ブラジルに住み、ブラジル北部を旅行したことがある人なら誰でも気づく。

日本サッカー協会は、イトゥーを選んだ理由として、日本の要望に応えた施設があり、部屋にはバスタブもあるなどの理由を挙げている。

けれど、実際のところはキリン・ブラジル(2011年に日本のキリンホールディングスに買収されたスキンカリオールがキリン・ブラジルとなった)がイトゥーにあることが影響していると推察される。キリンはサッカー日本代表にとって重要なスポンサー。キリンとの関係で初めからイトゥーに決まっていたのではないか。

移動距離が長く、寒暖差が激しい場所を往復する環境で、良いコンディションを作れるとは思えず、日本は全敗するだろう。

備考:
その後、キリンのブラジル事業(スキンカリオール/キリン・ブラジル)は売却され、キリンはブラジルから撤退している。

記事の予想は一部外れたが、だいたい当たっていた。

コートジボワールとの初戦を1-2で落とした日本は、2戦目のギリシャ戦を勝ちたいという気持ちが伝わってこない試合で0-0の引き分けた。そして、3戦目はコロンビアに1-4で惨敗した。

ブラジルでの日本の戦いぶりを見て、自分はこの記事のことを思い出した。

もっとも記事は3戦全敗を力強く断言していたが、第2戦は引き分けだったので、予想は当たらなかったことになる。

とはいえ、全くの見当違いだったとは言い難く、実のところとても正しい指摘だったと思う。

記事が言うように、レシフェとナタールは赤道に近く、一目で暑い地域だと分かる。
クイアバにしてもちょっと調べれば暑いことはわかり、拠点地のイトゥーとは距離に加え、気候の違いが大きいことは想像できる。

日本でも沖縄と北海道の気候は違うし、アメリカや中国でも北部と南部では気候が全く異なる。

ブラジルは南半球だから日本の冬の時期がブラジルでは暑く、日本が暑い時期はブラジルは涼しいもしくは寒いというのが一般的だろうが、赤道の近くとなると基本一年中暑い。

日本vsコートジボワール 開催都市レシフェ
日本vsギリシャ 開催都市ナタール
日本vsコロンビア 開催都市クイアバ
2014年ブラジルワールドカップ日本代表拠点 イトゥー

レシフェは暑かった

実際にブラジルワールドカップの日本vsコートジボワールを見にレシフェまで行って感じたことは、6月のレシフェは暑いということだ。
実際、夜でも半袖で十分だった。

一方、日本が3試合を行う3都市より南(赤道から離れる位置)にある6月のサンパウロ州は涼しいということも自分は知っていた。

そのため自分も、実際にレシフェに着いてみて「日本代表が拠点とする涼しいサンパウロ州イトゥーから暑いレシフェで試合をすると、暑さがよりキツく感じないかな」と心配になったことを覚えている。

もちろん、終わった後に好き勝手なことを言うのはフェアではない。とはいえ上述の記事の筆者の言うことは基本正しいと、自分は肌感覚でわかった。

涼しい場所に滞在し、日本の夏みたいな場所に試合をした後また涼しい場所に戻り、2−3日後に涼しい場所から暑い場所に移動して試合というのは、短期決戦のグループステージを戦うには賢明でない。

もちろん大会期間中の拠点選びだけが敗因ではないだろう。

ザッケローニは任期中、良いチームを作っていたが、大会前はメンバー選びに迷いが見えたり、戦いぶりが少しブレていたと記憶しているし、ブラジルワールドカップ本戦前後にサッカー面でも順調に行っていなかったというか、ピークに持っていけなかった部分はあったと推察する。

けれど、イトゥーを拠点としたことでの移動の長さと寒暖差の体への影響は少なくない影響があったと思う。

スポンサー関係と代表チーム強化

上述記事が推察するように、キリンがブラジル事業をイトゥーで営んでいたことが、日本代表の拠点をイトゥーとしたことと関係あるのかわからない。

また、仮に関係があったとしても、普段の活動を支えてくれているスポンサーに配慮するのは理解できる(上述の記事も一定の理解は示している)。

ただ、スポンサーや活動を支えてくれる企業にどこまで配慮するかのバランスは今後も大切になってくるだろう。

日本代表が海外で試合をするとき、試合開始時刻が日本人に見やすい時間帯に設定され、その結果、まだ暑さが残る時間帯での中東で暑さに苦しんだり、地元ファンがスタジアムに行きづらい午後のヨーロッパで試合をすることでスタンドがガラガラになり、完全アウェイの雰囲気で試合をする経験が積めないなどが度々ある。

ワールドカップ予選や本戦であっても、日本人に気を遣ったかのような時間帯での試合(現地の暑い時間帯で日本代表の試合)が続いて組まれることもある。

それが単なる偶然かは知るよしも無いが、時差がある海外での試合で、日本の民放テレビ局や広告代理店が、日本のテレビ視聴者が視聴しやすい(より日本人が広告を目にしやすい)時間帯に試合を調整した(それによって、日本代表のサッカー面での強化の度合いが落ちている)と勘ぐりたくなることも過去にはあった。

繰り返しになるが、活動を支えてくる人や企業へ配慮するのは理解できるし、悪いことではないと思う。

けれど、仮に日本のスポンサーや視聴者に配慮し、暑い時間でワールドカップ予選やワールドカップ本戦で試合をさせられ、それが日本代表にとって悪い結果につながるとなれば、それは本末転倒だろう。

そういう意味で、ワールドカップ最終予選のアウェイ戦がDAZNのみになったことに自分は個人的に注目している。

色々な人がいうように無料で見れる民放での視聴ができなくなったことで、ライト層のファンを獲得するハードルが高くなった点はあるだろう。

とはいえ、ライト層のファンは、日本代表が試合をしやすい中東の時間帯(日本時間深夜3時など)の試合が民放で放送されたとしても、それを見るかは微妙だ。

ライト層に見てもらうためには、ライト層が見やすい日本時刻に設定すべく、試合時間を早め、現地時間の暑い時間帯での試合を続けるなど、日本代表の強化に好ましいとは言えない状態を作らざるを得なくなるだろう。

そんななかワールドカップ最終予選アウェイのように、DAZNなど有料配信に切り替わることで、今後、日本のアウェイ戦の時間設定が変わるのかなど個人的に興味がある。

DAZN

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