ケンペス、マラドーナ、メッシの3人と共演した唯一の選手! アルゼンチンの伝説をつないだ名GKの意外な記録
左からマリオ・ケンペス、リオネル・メッシ、ディエゴ・マラドーナ
アルゼンチンサッカー史に名を刻む3人の英雄、マリオ・ケンペス、ディエゴ・マラドーナ、リオネル・メッシ。1978年、1986年、2022年のFIFAワールドカップで、それぞれ母国を世界一に導いたスターたちだ。
世代の異なる3人だが、実は全員と同じピッチでプレーした選手が存在する。スペイン紙『MARCA』が10月10日、その意外な人物と知られざるエピソードを紹介した。
その選手とは、元アルゼンチン代表GKのロベルト・アボンダンシエリだ。
◼️ロベルト・アボンダンシエリ(写真はボカ所属時のもの)

ボカ・ジュニアーズの守護神として活躍し、2006年から2009年にはスペインのヘタフェでもプレー。2006-07シーズンにはラ・リーガ最少失点GKに贈られるサモラ賞を獲得した名手である。
◼️ケンペスとの共演は1995年の引退記念試合
最も意外なのが、1954年生まれのケンペスとの接点だろう。
2人が同じピッチに立ったのは、1995年2月8日に行われたロサリオ・セントラル対ニューウェルズ・オールドボーイズの親善試合だった。
当時40歳だったケンペスは、かつて所属したロサリオ・セントラルのファンに別れを告げるため、古巣のユニフォームを着用。宿敵ニューウェルズとの「ロサリオ・クラシコ」に出場した。
この試合でゴールマウスを守ったのが、若きアボンダンシエリだった。
ケンペスは自ら決勝ゴールを決め、ロサリオ・セントラルが1-0で勝利。もっとも、試合はニューウェルズ側の観客席から物が投げ込まれた影響で、予定より早く打ち切られたという。
◼️マラドーナとはボカで3試合に出場
続いてアボンダンシエリが共演したのが、1986年ワールドカップの英雄マラドーナだ。
2人はボカ・ジュニアーズでチームメートとなり、実際に同じピッチに立ったのは計3試合。1996-97シーズンに1試合、1997-98シーズンに2試合をともに戦い、いずれもボカが勝利を収めた。
そのうちの1試合が、1997年8月24日にラ・ボンボネーラで行われたアルヘンティノス・ジュニアーズ戦。アボンダンシエリとマラドーナはそろって先発し、ボカが4-2で勝利している。
◼️メッシとはアルゼンチン代表で29試合に共演
3人の英雄の中で、アボンダンシエリが最も多くの試合をともに戦ったのがメッシだった。
2人はアルゼンチン代表で計29試合に出場。そのうち3試合は2006年ドイツ・ワールドカップでの共演だった。
同大会はメッシにとって初めてのワールドカップであり、アボンダンシエリにとっては唯一のワールドカップ出場となった。
また、アルゼンチンが準優勝した2007年のコパ・アメリカでもチームメートとしてプレーしている。
興味深いことに、2人はクラブレベルでは対戦相手にもなった。
アボンダンシエリがヘタフェ、メッシがバルセロナに所属していた時期に2度対戦し、それぞれ1勝1敗。2006-07シーズンはバルセロナが1-0、翌2007-08シーズンはヘタフェが2-0で勝利した。
そして、この2試合でメッシはアボンダンシエリからゴールを奪えなかったという。
◼️33歳差の3人を結んだ唯一の存在
『MARCA』が紹介したTransfermarktのデータによると、ケンペスとマラドーナの両者と同じピッチに立った選手は、アボンダンシエリ以外にも少なくとも35人存在する。
一方、マラドーナとメッシの双方とプレーした選手には、フアン・ロマン・リケルメ、フアン・セバスティアン・ベロン、キリ・ゴンサレス、マルティン・パレルモ、ロドルフォ・アルアバレーナらがいる。
しかし、1954年生まれのケンペス、1960年生まれのマラドーナ、1987年生まれのメッシという、最大33歳の年齢差がある3人全員と共演した選手は、同紙の調査ではアボンダンシエリただ1人だった。
ちなみに、ケンペスとマラドーナはアルゼンチン代表で11試合に共演。1982年スペイン・ワールドカップでも5試合をともに戦っている。
1978年、1986年、2022年。アルゼンチンが世界一に輝いた3つの時代を象徴する英雄たち。その全員と同じピッチに立ったアボンダンシエリは、アルゼンチンサッカーの歴史をつなぐ特別な経歴の持ち主と言えそうだ。
なお、1995年のケンペスとの共演については、アルゼンチンの現地メディア『El Ciudadano』『Conclusión』でも確認できる。試合当時のケンペスは40歳ではなく41歳で、試合は観客席から投げ込まれた物がロサリオ・セントラルの選手に当たったことにより、中断されたと報じられている。