
ウルグアイの物価
他の南米諸国でも意外と物価が高い国は多いですが、ウルグアイは南米のなかでも特に物価が高い国になっています。ウルグアイの物価高には幾つかの要因がありますが、自分が考える主な理由は下記の2点です。
1) ウルグアイを含めた海外では日本よりも物価上昇の速度がはるかに早い。
(日本より高いインフレ率。US$に対する現地通貨安の進行など)
2) ウルグアイは税金が他国と比べても高い。
(消費税は22% それ意外にも複数の税金が製品代に含まれる)
ウルグアイでは、スーパーで買うミネラルウォーターやコーラが日本と同等か少し高いくらいの値段です。
マクドナルドやバーガーキングなどのファーストフードのセットメニューの価格は、日本より数百円高い価格になっています。
ウルグアイは牛肉の一大生産地のため、重量あたりの牛肉の価格などは日本に比べれば安いです。
ウルグアイのスーパーマーケットや肉屋で牛肉1kgの価格を見た時、「これって日本の100gとあまり変わらないな」と思ったことがあるくらい、牛肉の価格はお得感があります。
(牛がたくさんいるからか、牛乳などの乳製品も日本より安い傾向にあります)
しかし、だからと言って外食をする場合は、牛肉を含んだ料理であっても、食費が滅茶苦茶安くなるわけではありません。
日本では1000円出せば立派なランチセットを食べられますが、ウルグアイで1000円以下の予算で昼食を探そうとすると、選択肢がかなり限られます(マクドナルドはセットメニューが、モノによっては1000円以内に収まるかもしれませんが1000円前後のものもあり、バーガーキングのセットメニューになると1000円を超えるものが多くなると思います)。
また、日本では当たり前に見かける、吉野家、松屋、すき家、サイゼリヤなどのように、それなりに美味くて、かつ安いというチェーン店は世界的に見れば稀有な存在で、このようなお店をウルグアイで手軽に見つけるのは不可能に近いです。
たとえば、現地の中流階級の人たちが行くローカルの食堂で、ウルグアイの庶民食の一つであるチビートと呼ばれるステーキ肉と野菜を挟んだバーガーにフライドポテトかサラダがついたプレートを注文するとします。
すると下記写真のような料理が運ばれてきます。

チビート・プレートの例その1

チビート・プレートの例 その2
写真を見てわかるように、まずチビート自体のサイズが大きいです。
サイドメニューとして付いてくるフライドポテトかサラダも大量です(そのコストも費用に乗ってくる)。
更に飲料水も無料ではなく、ミネラルウォーターやジュースなどのドリンクを注文する流れになる。
(また、メインの食事が到着する前に、パンとバターの軽食が、お通しのような形で提供される場合もあります)
更に、このような大衆食堂でもウエイター・ウエイトレスが料理を運んでくれる場合、会計時に10%前後のチップを置くのが慣習となっています。
(会計をクレジットカードで行う際でも、チップはカードで支払えない場合があります。その場合、10%相当の現金をテーブルに残す形となります)
そうすると、大衆的なお店で食べたとしても、普通に2千から3千円台といった値段になります。
サイズがデカいため、このチビート・プレートの事例では、ある意味納得の価格でもありますが、正直日本人には多すぎとも言える量です。
だからと言って日本人には十分な小さいサイズの選択肢を持つ店は限られます。
お腹が減った時に手近な場所で食事を済まそうとしても選択肢がなく、結果、この写真のような大衆店に入ることになり、2千~3千円台の出費になるということは珍しくありません。
予算を抑えるためには、その店のメニューに単品注文の選択肢があればサイドメニューを外した単品で注文する、喫茶店などで軽いサンドウィッチなどで済ませる、もしくはホテルでなくAirbnbなどで民泊を選び自炊での食事を増やすなどの工夫も必要です。
尚、ウルグアイにはイタリア系の人も多く、パスタの選択肢もありますがひとり1000円以内で収まることは稀少で(庶民的なイタリア料理店で食べても結局2千円台から3千円台はすると思います)、日本のサイゼリヤの偉大さを実感することになります。
ウルグアイ代表チームや、現地サッカークラブのユニフォームを購入する場合、日本と同等かそれ以上の値段です。
また、Nike, Adidas, Pumaなどのスポーツウェアやシューズなども、日本より値段が高いです。
(更に、日本向けの製品は、色々と細かい日本人向けということで厳格な品質基準に達した製品が提供されていますが、ウルグアイなど日本以外の市場向けの製品の品質管理の基準は低く設定されていることがあります。そのため、正規店で購入しても、日本ではクレームとなりえる糸のほつれや、微妙な素材の製品が混ざって販売されることも少なくありません。にも関わらず、値段は日本より高い、ということが多いです)
ちなみに、ウルグアイでは歯磨き粉、歯ブラシなどの日用品など日本より高いものも多く、家電や自動車などになると、高い税率とその他コストで日本の2倍、3倍以上など驚くほどの高さになる傾向にあります。
(そのため、ウルグアイの中流以上の人たちは、アメリカ旅行に行き、アメリカでスマホなどの買い物をすることを好みます)
ウルグアイ人の平均年収はUSドル15,000〜16,000(約150〜176万円:為替US$/JPY100 – 110で計算)と言われています。
南米の中では1-2を争う高い水準で、世界的に見ても悪くない数値ですが、とはいえ、日本の平均年収より低い一方、日本より全体的な物価が高いため、自分は、ウルグアイに行くたびに、人々はどうやってこの物価のなか生活できているのだろう、と不思議になります。
尚、具体的な物価は、その時の現地価格、為替レートによって大きく変動するため表示しませんが、ウルグアイに行く際は「日本より物価が高い」という心構えでいくことが必要です。
為替レート
USドル/日本円の為替(両替)レートは、基本的に1ドル100円から110円のあたりをさまよっています。
2011年頃には1ドル70円台と円高、それとは逆に1ドル120円台の円安の時期もありました。2021年10月現在は1ドル114円前後ですが、基本的には1ドル100から110円で考えて問題ないと言っても過言ではないと思います。
ウルグアイの通貨ウルグアイ・ペソを見ても変動幅は大きいです。
2010年、USドル/ウルグアイペソ(UYU)の為替(両替)レートは1ドル20ペソ前後でした。しかし、2021年10月現在1ドル45ペソ前後です。
日本の対ドルレートがほぼ同じな一方、ウルグアイではドルに対し現地通貨が過去10年で約2倍以上安くなっています。
現金とクレジットカード
ウルグアイへの現金持参は日本円でなくUSドル。
日本円からUSドルヘの両替は日本で行う。
ウルグアイで日本円を両替するとレートがとても悪くなる一方、USドルをウルグアイペソに両替する場合のレートは安定しています。
そのため、ウルグアイへ行く時は、両替用の現金として、日本円でなくUSドルを持参することを推奨します。
尚、日本円をUSドルに両替する場合、日本で両替しておくことをお勧めします。
タイバーツ、フィリピンペソなどアジアの通貨に日本円から両替する場合は、現地で両替する方がレートが良いことが多いです。
しかし、日本円を、USドル、ユーロなど世界の基軸通貨へ両替する場合、日本で両替した方がレートが良いことが多いです。
多額の現金を持ち歩くリスクを考慮し、現地ATMで現金を引き落とすのも選択肢。手数料や金利を追加で徴収されるが、それでも、現金の両替よりレートが良くなることも少なくない。
(海外キャッシング機能を使用する際には申し込みが必要なことが多く、自分のクレジットカードにキャッシング機能が付いているか不確かな場合は、カード会社に要確認)
ウルグアイにも海外キャッシング対応のATMがあり、海外ATM使用で発生する手数料やキャッシング金利という費用を含めても、現金の両替より海外キャッシングの方が総費用の方が安くなることも多いです。
そのため、クレジットカード払いの場合、追加手数料が発生する店舗も世界には存在します。一方、ウルグアイでは紙幣の印刷や流通、移動にかかる警備費用等の維持コストや、脱税のリスクを抑えられるという理由で、クレジットカード払いの場合、割引が発生します。(全部のカード払いで割引が発生するか確認できていませんが、自分が現地でクレジットカードで支払った際には、多くの場合、実際に割引が適用されていました)
また、クレジットカードで支払う方が、現金両替や海外キャッシングで入手の現金よりもレートが良いことがほとんどです。クレジットカード払いによる割引が加わることもあり、クレジットカードのほうが現金で払うより日本円のコストが少なくなることがほとんどです。しかも、カード払いにすればカードのポイントが貯まります(航空会社系カードの場合はマイルがたまり、特典航空券入手への足掛かりになります)。モンテビデオに限っていうと、新聞スタンドや小規模個人商店では現金のみの店もありますが、ミネラルウォーターやマテ茶の茶葉などを売っている街角のミニ・スーパーマーケット的なところなどではクレジットカードが使える店も多く、会計前にまずはカードが使用可能か確認するとよいでしょう。尚、スキミング犯罪のリスクを減らすために店員が不必要にカードを見えない場所に移動させないか注意し、自分の目の前でカードを読み取る機械が使用できる場所や、自分の目の前で決済が行われることを確認できる場所を優先するなどの自衛策もあります。
(しかし、レストランなどでは、その店の設備的にテーブルではカード決済ができず、店員が会計処理のためにクレジットカードを預かるという場面も避けられないとは思います)
ウルグアイは南米の他の国より安全度は高いですが、用心するに越したことはないと思います。
(日本円の費用が一番安くなることが多く、ウルグアイでは割引もあり、かつ、カード会社によってポイントやマイルが貯まる)
2) 現金は、日本で両替したUSドルを持参し、ウルグアイで両替。
もしくは、海外キャッシングで現地ATMで現金引き出し。
読んで頂き、ありがとうございました。
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