バルサを見るため、はじめて訪れた憧れのバルセロナで、到着直後に警察を呼ばれた話

ヨーロッパ

DAZN

2001年10月 カタルーニャ広場近くのインターネットカフェ

1994年のアメリカワールドカップを機に、海外のサッカーに興味を持つようになり特に興味を惹かれたのがFCバルセロナだった。

いつかバルサ(FCバルセロナ)の試合をカンプノウで見たい。
そう思うようになり、大学に入ると同時にスペイン語の勉強をはじめた。

大学では第二外国語のスペイン語の授業を真面目に聴講した。
また、前回記事で書いたようにNHKテレビのスペイン語講座なども活用した結果、ある程度話せるようになった。

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そして、2001年10月上旬、ついにFCバルセロナの試合を観戦すべくはじめてバルセロナを訪問することになった。

Passeig de Gracia駅近くのホテルに宿にチェックインし、荷物を置いた。
そして、バルセロナの街を散策することにした。

Passeig de Gracia通りを歩き、Plaça de Catalunya(カタルーニャ広場)へ出た。
そして、しばらくカタルーニャ広場の雰囲気を感じながら休憩をしたあとふたたび歩き出した。
すると、カタルーニャ広場のすぐ近く、Plaça de CatalunyaもしくはUnivercitat通りに、インターネット・カフェを見つけた。

自分はバルセロナ訪問する前、語学留学のため(就職活動から逃避するため)アメリカのテキサス州に数ヶ月滞在していた。その期間中、自分はアメリカ人大学教授の家族の家にホームステイをしていて、語学留学を終えた後、アメリカからロンドン経由でバルセロナに入った。

ホストファミリーのアメリカ人から「バルセロナに無事に着いたら連絡して欲しい」と言われていたから、自分はバルセロナに無事到着した旨をメールで伝えようと思った。

2001年当時はスマホなどなければ、当然WiFiもないし、パソコンやインターネット環境も発達していなかった。そのため、海外でEメールをチェックなどネットを使いたい場合は、インターネット・カフェに行く必要があった。

そのため、自分はインターネットカフェに入店し、1時間分の代金を支払った。
そして、地下一階へ下り、受付で指定された番号のパソコンを開いた。

メールを開くと、アメリカ人大学教授から胸が熱くなるような感動的なメッセージが届いていた。
ホストファミリーとの思い出などが頭をよぎり、目頭が熱くなり、涙でパソコンの画面が曇って見えた。

アメリカ人に返信のメールを書いている途中で時計を見たら、受付で支払った代金分の使用時間が終わりそうだった。

そのため、時間を延長しようと、自分は席を立った。


もしかしたら、歩いているときに他の人の椅子にぶつかったかも

座席を大きくうしろに引くと、背面でパソコンを使用している人の椅子とぶつかってしまうくらい、パソコン席の列と列の間隔が狭かった。

自分は他の人の椅子にぶつからないように注意深く通路を歩いた。

しかし、自分が歩いた後ろ側で、誰かの席から何かのモノが落ちるのが見えた。
自分は、注意深く歩いたつもりだったが、もしかしたら自分が他の人の席にぶつかってしまい、何かが落ちてしまったのたと思った。

落下物の持ち主の顔も確認せずに、自分はとっさに「すいません(Perdón)」と言い、地下から階段を上り、一階のインターネットカフェの受付に向かった。

そして、延長時間分の代金を支払い、ふたたび地下のパソコンへ向かった。

すると、いわゆるロマ人風の見た目で、ヨーロッパ人よりは肌の色が濃く、全体的な雰囲気がスペイン人やその他白人系ヨーロッパ人とは異なる老婦人とその友人と、同じ人種と思われる30〜40代と思わしき女性、合計ふたりが自分を待ち構えていた。

「あなたは私のお金を盗んだわね」と言い、彼女は警察を呼んだ

褐色の肌を持つ女性は自分を見つけると、怒った表情を浮かべた。そして、早口のスペイン語で言った。「私のお金を盗んだでしょ?」

「何だって?」と自分もスペイン語で言った。「いったいなんのことですか?』

「あなたは、さっきここを通ったとき私の椅子に体をぶつけて、椅子にかかっていたバッグの中に入っていた財布を落とした。そして、その財布のなかからお札を盗んだでしょ」

「は?何を言ってんすか」と自分は当惑しながら言った。「自分が、財布から札をとった?嘘をつくのはやめてください」

「嘘じゃない」と老婦人。「ここにいる私の友達が、あなたが財布から5,000ペセタ札(約3,500~4,000円。2001年当時、EU共通通貨ユーロはまだ使用されておらず、スペイン独自の通貨であるペセタが流通していた)何枚かを抜き取っているのを見たと言っている。実際に、あなたはさっき、私の財布を落とした瞬間に『すいません』と言ったでしょ?」

友人と言われる女性は、老夫人に同意するように、深刻そうな表情でうなずいている。

突然外国でお金を盗んだという言いがかりをつけられ、自分は恐怖心を持った。

と同時に、自分は、その女性が「事態を穏便に済ませるために、テンパった外国人である自分に、いくばくかのお金を払わせようとしているのだろう」と気づき、怒りが込み上げてきた。

俺は手打ちのために、お前にカネなんて払わないぞ、という怒りを込めて自分は言った。「何を言ってるんだ、この嘘つき野郎」

すると、一見スペイン人に見えない老夫人が、スペイン訛りのスペイン語(南米のスペイン語に比べ抑揚が少なく平らなトーンで早口)で自分に一気にまくし立ててきた。

その話し方や自分への言いがかりが癪にさわったのかもしれない。そのスペイン訛りへの反抗心からか、気づいたら自分は、スペイン人がYoをヨと発音するところを、ジョと濁った音にして発音するなど、中南米訛りを意図的に出しながら反論した。

「確かに俺は『すいません』と言ったよ」と自分「けど、椅子にぶつかったかもしれないと思ったから言っただけで、実際には俺はぶつかってないと思う。しかも、財布から札を抜き取った?さっき俺は前に歩いただけだ。立って歩いたまま、地面に落ちた財布からカネを盗めるわけないだろ」

「ほら見て」老婦人は財布の紙幣が入る部分を横に広げ、見せつけながら言った。「ここにあった5,000ペセタ札がなくなっている」

「もとから5,000ペセタなんて入ってなかったんだろう?」と自分。「なのに俺が盗んだなんて、ひどい話だ」

「けど、私の友達はあなたが盗んだと言っている」と老婦人。

「ってことは、あんなの友達も嘘つきってことだな」と自分。

「人から物を盗んでおいてひどい態度ね。なら、警察を呼ぶわ。ここには防犯カメラがあるから、あなたが盗んでいるところが録画されているはずよ。それを警察に見せてやる」

「俺は盗んでないのに、どうして俺が盗んだ映像が存在するんだ?」そう言いながら、自分は目の前の女性二人組が本当に警察を呼ぶわけはないと思っていた。「警察が来たら、逆に、映像を見ながら、警察に俺は無実だって伝えてやるぜ」

「わかった。じゃあ警察を呼ぶ」そう言うと、女性は携帯電話を取り出し、電話をかけた。

しばらくすると、本当に複数人の警察官がインターネットカフェに乗り込んできた。

<続く (下の記事へ) >

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