今、南米サッカー界で最も幸せな話題…行動力と情熱で人生を変えた15歳の少年の物語

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　フラメンゴの優勝で終わったコパ・リベルタドーレス2026の決勝は、15歳の少年の人生を大きく変えた。そして、この少年はスポーツジャーナリズムの情熱、努力、創造性の象徴になった。

　2025年11月29日土曜日、15歳の少年クリベルは故郷のアンダワイラスから、自らの夢のためにリマへと旅立った。その夢とは、南米大陸の最強クラブを決める大会であるコパ・リベルタドーレスの決勝戦の実況をつとめることだった。

　試合を観るためのチケットを持っていない、なんのコネもツテもない。そもそも15歳だから実況席で実況をすることなんて普通に考えたら不可能なことだった。

　しかし、クリベル少年は地元から18時間かけコパ・リベルタドーレス決勝の舞台であるペルーの首都リマにあるエスタディオ・モヌメンタルに行き、自身のチャンネル『ポル・デポルテス』で配信を行いたいと願い出た。

　だが、未成年でチケットも持ってないクリベルは、スタジアムに近づくことが許されなかった。

　すると少年はスタジアム近くの山の頂上近くに上り、スタジアムを含む街のパノラマを望める場所から、スマホ、三脚、リングライト、そして情熱を胸にTikTokアカウントを通じ試合の実況ライブ配信を開始した。

■動画；スタジアム近くでの配信を許可されず、丘の上で実況を行う少年■

　「なんとしても自分のやりたいこと、自分の夢を叶える」というクリベルの決断と行動力は人々を揺さぶり、テレビで決勝戦が放送されているにも関わらず、彼の生配信に数千、数万人の同時視聴者が集まった。そして、決勝終了後には、彼のアイデアは瞬く間に拡散。彼の動画は様々なSNSで数百万回再生され、フォロワーも数万人増加した。

「どこにいるかは関係ない。ただ好きなことをしているだけ。僕はジャーナリストであり、ストーリーテラーでもあるんだ」と、クリベルは丘の頂上から撮影した動画で語った。
　
　少年が困難を乗り越えて夢を叶えた行動力に、人々は心を奪われた。アルゼンチンの有名ミュージシャンのビザラップ、そしてESPN,DSports(DirecTV Sports)、そして、その他中南米諸国のメディアや有名実況者、ジャーナリストがクリベルのことを「アイドル」や「リベルタドーレスのMVP」と称賛した。

　そして12月2日、ペルー1部リーグの公式配信サービス『L1 Max』がクリベルをスタジアムに招待。更に、リーグ戦準決勝ファーストレグ、スポルティング・クリスタルvsアリアンサ・リマの名門同士が激突する１戦の後半の数分間、クリベルに実況をする機会を与えた。

■動画：ペルー1部リーグのビッグマッチで実況をする少年■

　ペルーの地方で幼少期から実況、そしてジャーナリストになることを夢見ていたクリベルが自らの行動力で道を切り開き、さらに遠くの夢に向かって歩みを進めている姿を見て、アルゼンチン、ブラジルなど、ペルー以外のスペイン語圏の人たちは幸せを感じている。

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