元浦和レッズのエスクデロ競飛王、クラブW杯浦和vsリーベルを語る 「浦和は犯罪級に走る」

photo: Instagram(@escudero19sergio)Jリーグ
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 アルゼンチンメディアの『オレ』は6月13日、かつて浦和レッズなどで活躍した元U-23セルヒオ・エスクデロが、FIFAクラブワールドカップ・グループE第1節、浦和レッズ対リーベル・プレートについて語るインタビューを掲載した。

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 現在36歳のエスクデロはスペインで生まれ、父親が日本のクラブと契約した関係で幼少期に日本に引っ越す。一般の保育園に通い、家庭内でも日本語を使用するなどスペイン語はあまり話さず、主に日本語で生活した。

 しかし、小学校低学年で日本語しか理解できない状態で両親の母国アルゼンチンに移住すると、スペイン語の壁に直面。それでも、スペイン語の特別教室に通うなどして両親の祖国の言葉を身につけ、同国名門ベレスの下部組織で現在ベンフィカに所属のアルゼンチン代表DFニコラス・オタメンディとチームメートとしてプレーし、インデペンディエンテの下部組織に所属していた元アルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロやロサリオ・セントラルの下部組織に所属していた元アルゼンチン代表アンヘル・ディ・マリアなどと対戦した。

 だが、エスクデロが中学生年代のころ、父親が再度日本のクラブで働くことになり家族で日本に再移住することに。将来のアルゼンチン代表を目指していたエスクデロは、アルゼンチンに残ることを希望したが最終的には日本の中学校に入学することになった。すでに日本語を忘れており、アルゼンチンと日本の文化の違いに戸惑い、一時期やさぐれていたエスクデロだったが、紆余曲折を経て日本で頑張ることを決意。柏レイソルの下部組織を経て浦和レッズの下部組織に入団し、その後、浦和でトップ昇格。韓国、中国で大活躍し、京都サンガFC、栃木SCにも所属した後、タイ、エルサルバドル、そしてオーストラリアに戦いの舞台を移し、現在はオーストラリアのノース・ジーロング・ウォーリアーズで奮闘している。

 そんなエスクデロが、アルゼンチンの大手メディアに対して自身の古巣浦和レッズとアルゼンチン名門リーベルとの対戦について語った。以下が、そのやりとり。

―リーベルが浦和と同じグループになったとき、何を思った?

「すごく嬉しかった。自分は(アルゼンチンのクラブ)チャカリータのファンだけど、リーベルのサポーターでもある。時差があってもできる限り試合を追いかけてるし、ガジャルド監督の戦術や選手も注目してる。そしてもちろん浦和も。試合があるときは、直接観られない場合も録画でチェックしてる。この間も自分の練習中にセレッソ大阪との試合があって、終わった瞬間に結果を確認したくらいだ。浦和の選手もスタッフも、社長も、サポーターも…浦和には知り合いがいる。だからこの組み合わせは本当に嬉しかった。試合の日に現地に行けたら良かったのに!」

―浦和ってどんなチーム?

「自分は浦和のサポーターだけど、情報もちゃんと出せるよ(笑)。今年はクラブワールドカップに向けていい補強をしていて、選手層は厚い。でも、実際には、同じ11人か12人くらいが起用されている(スタメンが固定されている)印象だ。ここ数ヶ月は3〜4日おきに試合があったのに、メンバーはほとんど同じだった」

「浦和の守備は強い。(センターバックに)ブラジル人のダニーロ・ボザとノルウェー人のホイブラーテンがいて、中盤の真ん中の底にはスウェーデン人のグスタフソン。みんな優秀な選手だ」

「元々9番(FW)はチアゴ・サンタナだったけど、あまり調子が良くなかった。また、2ヶ月半くらいケガして、今は日本人選手たちが出ている。前線の日本人のアタッカーの方がスピードもパワーもある」

―つまり、戦術的な規律と素早いトランジションが強み?

「その通り。でもリーベルとの試合ではどうなるか。浦和は速いし、カウンターが得意だ。一方、リーベルはポゼッションをして試合を落ち着かせてくるはずだから、その速攻が通用するか分からない。そのため、浦和はスタイルを変えるかもしれない。ボールを持てない展開なら、点を取るのは苦しくなる。日本のサッカーは“攻撃vs攻撃”が主流。でもリーベル相手にそれをやると、逆に2次カウンターで3対2、4対3の場面を作られるリスクがある」

―どんな試合展開を想像している?

「リーベルは試合をコントロールして、カウンターを防ぐ戦い方をすると思う。戦術的なファウルもうまく使ってリズムを切るはず。でも気をつけないといけないのは浦和のスピードだ。テレビで見るのと、ピッチで対面するのとでは全然違う。浦和は本当に速いから」

―リーベルは以前も日本のクラブと対戦しているけど、今回はどんな展開になりそう?

「浦和は後ろに引いて、スペースを与えないようにするはず。グループステージだから勝ち点1でもOKというプランで来る可能性もある」

「リーベルが焦って点を取りに行くと、カウンターを食らって本当に危ないよ。アルゼンチンの選手はフィジカルも空中戦も強いけど、日本人のフィジカルとスピードは異常。『犯罪級』に走るからね(笑)」

―日本ではクラブW杯への期待感は高い?

「日本全体ではそこまで注目されてないけど、浦和にとってはすごく大事な大会。浦和は毎試合4〜5万人は入るし、アウェーでもサポーターが押し寄せて、ホームチームを圧倒することもある。浦和のサポーターは日本一、もしかするとアジア一。今回もアメリカに多くのサポーターが行って、90分間歌い続けるはず。応援合戦も見ものだね」

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●以前、自分がエスクデロ選手にインタビューをさせてもらった際の動画を以下に貼り付けます。

■エスクデロ競飛王インタビュー1■

■エスクデロ競飛王インタビュー2■

■エスクデロ競飛王インタビュー3■

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